やっぱり速いがイチバン
 

    ThinkPad 535 のクロックアップを試みました。
    簡単にできる 120MHz -> 133MHz 化から、FEXT PLL を使用した 133MHz over
    のクロックアップまでを紹介します。

    さて、今回はちょびっとだけ、イメージを張り付けてみました。
    それでも殺風景な事には変わりないです(^^;
    ま、重たいよりはいいかな...ということで。(ホントか?)
     
     

分解編

     まずはあなたの可愛い TP535 を三枚に下ろす事から始めましょう。

    1.まず、本体裏のネジを全部外した後、キーボード手前のパームレストを外し、
     キーボードを止めてあるネジを外します。この辺りに1つだけ小さなネジが
     ありますが、これを外すと内蔵HDDが手前に引きぬけます。
     ちょっと固いのでマイナスドライバの力を借りましょう。

    2.キーボード奥の IBM ロゴや LED のあるパネルを外します。
     このとき、LCD を地面と水平方向に倒しておかないと、パネルが外れません。
     パネルを取り去るとキーボード上部を止めてあるネジが見えますので、
     これらを外すとキーボードが取れます。

    3.本体背面の4本のネジを外すと LCD が引き抜けます。

    4.基板とケースとを止めてあるネジが幾つかありますので、すべて外すと
     アルミ板に包まれた本体が外れます。

    5.アルミ板を取り去ると、すっぴんの基板と御対面。
     Pentium の薄っぺらさに、しばし驚いてみたりして...


    ぺらい Pentium

    日本IBM から分解手順などが記載された ThinkPad の保守マニュアルを購入
    することができます。
    オーダー方法についてはこちらを参照してください。

    また資料番号の検索はこちらで行えます。

    なお、「ThinkPad 535 ハードウェア保守マニュアル」の資料番号は
    SY88-3077-01、価格は 380円 となっています。
    (1996/10/31 現在)
     
     
改造編 sono1 (120MHz -> 133MHz)

    TP535 で使われている PLL IC は W48C60 でした。
    インターネットでデータシートを探してみましたが、ヒットしたサイトは
    進入禁止であえなく退散する羽目に(;_;)
    
    NIFTY-Serve FEXT のライブラリにある _P55-T2P4.txt によると、
    ICS9159 なる IC が W48C60 の互換品(らしい)ことが書いてあったので
    早速 ICS9159 でサーチをかけて、http://www.icsinc.com/より
    データシートを入手しました。
    
    ピンアサインは以下の通りです。
    
    
        ICS9159-02 Pin Configuration
    
             +-----__-----+
        VDD  | 1        28| REF0        +-----+-----+--------------+
        X1   | 2        27| REF1        | FS0 | FS1 |     CPU      |
        X2   | 3        26| VDD         +-----+-----+--------------+
        Vss  | 4        25| KEYBD       |  0  |  0  |    50MHz     |
        OEN  | 5        24| DISK        |  0  |  1  |    60MHz     |
        PCLK0| 6        23| Vss         |  1  |  0  |    66MHz     |
        PCLK1| 7        22| BCLK5       |  1  |  1  |   Testmode   |
        VDD  | 8        21| BCLK4       +-----+-----+--------------+
        PCLK2| 9        20| VDD
        PCLK3|10        19| BCLK3
        Vss  |11        18| BCLK2
        FS1  |12        17| Vss
        FS0  |13        16| BCLK1
        VDD  |14        15| BCLK0
             +------------+
    
    
    
    お手軽にベースクロックを 60 -> 66MHz にするには、12,13番ピンを基板から
    浮かせて12番ピンを GND(Vss)、13番ピンを Vcc(VDD)へつないでやります。
    私は 12,13 番ピンを基板から浮かせて、11-12番ピンと13-14番ピンをショート
    させました。
    これで 133MHz 動作するようになります。
    


    W48C60
    写真中央に見える IC が W48C60 です。
    TCP な Pentium が張り付いている側の
    裏側についています。

    写真はクロックアップ後のもので、11-12・
    13-14ピンがショートしてあるのが見えると
    思います。





     −おまけ−

    元どおりに組み立てるときは、ネジの長さに注意しましょう。短いネジだと
    はまらないだけで済みますが、長すぎるネジをねじ込んだ場合は厄介です。
    表面におできの様な突起ができてしまいます。

    気をつけましょう。(;_;)


    ぽっち(;_;)

    Esc キーの左上にある丸い突起が、長さの違う
    ネジをねじ込んでできてしまった奴です。

    あぁ、なんてマヌケな.....



     
     
改造編 sono2 (120MHz -> 156MHz)
    
    今回は TP535 の限界を試すつもりで、T-ZONE パーツショップにて FEXT PLL
    キットを購入しました。他には 14.318MHz X'tal OSC、EXO-3C 24MHz、動作
    周波数を決定した後に内蔵する 16〜18MHz の X'tal 数個を用意しました。
    
    まずは、本体にオシレータを取りつけます。W48C60 の 24,25,27,28 ピンを基板
    より浮かせ、基板上のランドに 24MHz, 12MHz, 14.318MHz を入力します。
    次に 2,3 ピンを同じく浮かせ、IC の 2番ピンに FEXT PLL からの出力を入れて
    やります。
    
         +------------------------------------- FEXT PLL より
         |                                     (ICのピンに接続)
         |         +-----__-----+
         |    VDD  | 1        28| REF0  <--+--- 14.318MHz
         +--> X1   | 2        27| REF1  <--+
              X2   | 3        26| VDD
              Vss  | 4        25| KEYBD <------ 12MHz
              OEN  | 5        24| DISK  <------ 24MHz
              PCLK0| 6        23| Vss
    
    
    これで準備は完了です。再度本体を組み立て、FEXT PLL -> TP535 の順に電源を
    入れます。TP535 の動作クロックは FEXT PLL の周波数を 14.318 で割って 120
    倍(133MHz化してあれば 133倍)した数値になります。
    
    最初はパームレスト、LED 部分のパネル等を外した状態で動作させてみました。
    160MHz では Mwave の初期化に失敗したり、Win95 がセーフモードで起動したり
    と使い物になりませんが、156MHz 以下では Win95 が正常に起動しました。
    
    そこで 156MHz で 1時間ほど連続動作させてみました。アルミの放熱板がかなり
    熱くなるものの熱暴走はせず、Wintach, 3DBENCH2 でも 103〜104 の値を出して
    くれます。
    
    つぎに、ケースを完全に組み立ててテストしてみました。空気が流れなくなる
    ので熱が本体内にこもりがちになります。
    
    すると... さすがに 156MHz では 10分程でフリーズしました。その後徐々に
    周波数を下げていき、145MHz まで下げてやるとほぼ安定。
    ん〜、さすがに冷却なしではきついですね。サブノートでは仕方ないか??
    
    
    本体底面、CPU の放熱フィンの辺りに穴をあけると多少なりとも冷却効果が
    期待できそうなので、今度 IBM から取り寄せて加工してみようかな...?
    
    
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